【2005年 代理購入(ソーシャルバイヤー)】

  代理購入産業の始まりは、まだ“産業”と言える状態ではなかったです。ただ海外在住の中国人学生や仕事している人が、毎年帰国する際に親戚や友人に中国国内で買えない化粧品、時計、バッグなどを頼まれるという形でした。多くの中国人は海外から持ち帰ってきたものや国際郵便で郵送されたものを望んでいます。なぜならば、多くのものは中国で入手することができず、国内で入手したとしても価格も非常に高いです。こうして、頼まれた人には“お小遣い”でお礼をするようになり、いつの間にか、商品販売価格の10%の代理購入費用が定着していったのです。代理購入がますます受け入れられていくにつれて、プロのソーシャルバイヤー(代理購入業者)を除き、頻繁に海外出張する人や海外旅行ガイド、CAがソーシャルバイヤーの主戦力となっていきました。そして、賢い人たちがこの中に商機を見いだし、国外にいる親戚や友人と組み、他の人たちが欲しい商品も代理購入するようになった。このような伝統的な代理購入モデルのもとでは、ユーザーは良い商品も選べて、信用できるソーシャルバイヤーが探しやすかった。そして、代理購入マージンを含めた費用を支払えば、あとのことはソーシャルバイヤーに全部お任せします。この一連のプロセスの中で肝心なことはソーシャルバイヤーの選び方で、往々にして同僚や友人による「口コミ」からとなります。


  【2007年 淘宝全球購(C2C)の出現】

  それから、インターネットが普及したことによりECが発展してきました。人々の生活レベルが向上したが、国内の食の安全問題などにより、ネットショッピングの範囲が国内にとどまらずに国外まで広がっていきました。海淘(ハイタオ)のブームが始まり、海外ショッピングに特化したサイトや企業が出現し、ソーシャルバイヤーの役割を担うようになりました。2007年,阿里巴巴(アリババ)が国際版の淘宝(タオバオ)として「淘宝全球購」をリリースし、海外の優良な商品を取り扱う売り手を集結させることによって、消費者が持つ“家を出ずして世界中を買い漁る”という願いを叶えることができました。この新モデルにより、海外ショッピングがますます便利になりました。もしずっと友人に代理購入してもらうだけでしたら、海外ショッピングはごく限られた小さな範囲でしか行われません。だが今では、こうしたプラットフォームが人々により便利なサービスを提供してくれています。淘宝全球購の商品がより豊富になるにつれて、人々の興味は徐々に嗜好品に移り変わっていきました。あるデータによると、淘宝(タオバオ)が海外代理購入サービスを開始してから、ネットショップの毎月の取引量が3倍増となりました。つまり、淘宝全球購が代理購入市場を拡大させたと言えるだろう。


 【2008年 毒粉ミルク事件(三鹿奶粉事件)】

  2008年、三鹿奶粉による毒粉ミルク事件以降、中国国内では乳製品のクオリティに対する多くの消費者の見方は冷やかで、多くの家庭では海外産の粉ミルクを選ぶようになり、一瞬で粉ミルクの代理購入ブームがフィーバーしました。淘宝などでは輸入粉ミルクの代理購入がトップページを賑わしました。その後、中国の若い母親たちは、この教訓から海外原産の粉ミルクしか見向きをしなくなったことで、中国各地には、毎日海外からの粉ミルクが大量に届き、多くの家庭のニーズを満たす一方で、中国の乳製品は輸入貿易によってほぼ壊滅状態となっております。

三鹿事件:2008年3月、南京市で乳幼児の腎結石が見つかった後、甘肃省でも14名の乳幼児が腎結石を患い、某同一ブランドの粉ミルクが疑われた。9月10日、全国で数十名の乳幼児が腎結石が見つかったため、“三鹿”粉ミルクが名指しされたのである。甘肃省で59例が報告され、うち1名死亡;南京市で10例;その他都市でも報告があり、乳幼児の保護者が“三鹿”粉ミルクを飲ませていることを反映した。調べた結果、中国にある22社の乳製品からメラミンが検出されました。これらの企業の中に伊利、蒙牛、光明などのトップ企業も含まれていました。事件発生後、中国の乳製品企業の信用度がどん底まで下がり、輸入乳製品のブームに火がついた。