(12月1日)国際通貨基金(IMF)が開催した理事会において、中国人民元(RMB)を特別引き出し権(SDR)構成通貨に採用したことを全会一致で承認しました。今回の承認は約35年ぶりの大型な構成通貨変更となります。人民元が加入する前までは、IMFが2010年に設定した直近のSDRの配分比率は米ドル(41.9%)・ユーロ(37.4%)・英ポンド(11.3%)・日本円(9.4%)でしたが、人民元(10.92%)が採用されたことで、比率が米ドル(41.73%)・ユーロ(30.93%)・日本円(8.33%) 英ポンド(8.09%)になります。実際に、人民元が構成通貨にに加入されるのは2016年10月以降となります。

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(引用:毎日新聞)

 IMFのデータによれば、現時点では38カ国と地域の中央銀行が人民元資産を所有し、その総額が7,800億人民元(約14兆9796億円) となっております。これは全世界の公式な外貨準備高の1.1%に相当し、
米ドル(64%)・ユーロ(21%)・英ポンド(4.1%)・日本円(3.4%) になります。

 中国人民大学経済学教授李義平氏は以下のように指摘しています。人民元がSDRに加わった後、188カ国からなるIMFメンバー国は人民元を貯蓄資産にすることができるが、海外投資家が人民元で資産を持つかどうかは、やはり中国経済の成長と人民元資産の収益率レベルなどの具体的な要因が影響するだろう。また、一般市民に対して言うと、短期的にははっきりした影響はなさそうだが、長期的に見ると、今後は中国人が直接人民元を使って海外旅行、ショッピング、留学、投資を行い、為替リスクを避けることが出来るようになるだろう。
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消費の面からすれば、まず、SDR入りしたことにより人民元が中国国内における購買力が高まります。2016年10月以降に国際決済通貨となることで、人民元が全世界で流通されるようになります。これは一般市民の生活に大いに直接的な影響を与え、とりわけ多くの海淘(ハイタオ)ユーザーからすると、今後は代理購入を探さなくてもよくなり、人民元のSDR入り後には徐々に国内外の値段の格差がなくなっていきます。また、投資の面から言うと、投資者が世界中で資産配置や取引に有利にもなります。中国人が海外で投資することはもちろん、直接人民元を使って海外で家を購入することも遠い夢ではなくなります。
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